「実験的版画」
カラーの筆ペンを使って、新たな技法の実験を試みた。
まず①の絵は、カラーインクを使った女性の点描画だ。カラーの筆ペンを使っているが、一見すると、なかなかの技法で描かれているように見える。
②の絵は、完全に水で滲んでいる。これは見ての通り、描いた絵に水をかけたものだ。カラー筆ペンのインクは水性なので、霧吹きなどで水をかけるとインクが滲む。それを考慮して水をかけた。
さて、3枚のうち、どれが原画だと思うだろうか? 実は、②である。
まず②をカラーの筆ペンで描いた。それを水で濡らし、新しい画用紙を重ねて、その上から擦って版画にしたものが①なのだ。もう一度、同じように版画を繰り返した2枚目が③である。自分でも、まさかこんなに面白い点描風に仕上がるとは思わなかったので驚いた。もし①を点描で手描きしたら、そこそこ時間がかかる特殊な技法だと思う。①と③の2枚それぞれに、いい感じになった。さすがに3回目の版画はインクが流れすぎて無理だった。
このまま作品にしてもいいのだが、あくまでも実験の第一段階である。まだ1回しか試していない。原画を描いてすぐに濡らしたから、インクの滲みが良かったのか? 描いて時間が経過したら、このインクはどこまで滲むのか? その辺りはまだ不明だ。この技法をさらに試すのかどうかも、今のところ分からない。今後、この技法でもっと凝った絵を描くかもしれないし、描かないかもしれない。どちらにせよ面白い実験であり、なかなかの成功でもあった。
画家というものは、こうして試行錯誤しながら自分なりの技法を見つけ出し、それを極めて自分なりの作風を作ってゆくものなのである。さあ、いつ自分なりのオリジナルの技法が見つかるのでしょうかねぇ~?