billboard classics PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2020 藤井フミヤ meets 西本智実

PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2020

若葉色のライトに包まれて「フラワー」。バンドとまったく違うアレンジで、曲の新しい魅力に気づく瞬間が楽しい。「TRUE LOVE」は力強いリズムから始まり、ひとつずつ楽器が重なって奥行きを感じさせる。「鎮守の里」では一転、太鼓や鈴が効いた“和”の世界へ。ステージは茜色に染まり、見事に日本の四季を表現。ハーモニーが美しい「今、君に言っておこう」、テンポのよい「トワイライト」や「夜明けの街」。そして壮大に仕上がった「Tonight」。フミヤの楽曲はメロディアスな王道ポップスが主だからこそ、オーケストラアレンジとマッチしやすいのだろう。

入場時に配布されたプログラムで、西本さんは、「僕の前に道はない 君の後ろに道ができる——— 前回藤井フミヤさんとご一緒した瞬間、この詩のような感覚がよぎりました」と記されていた。一方フミヤは、オーケストラで歌う緊張感について「音楽の大海原の中にポツンと一人浮かんでいる心境」「西本さんに身を委ね、オーケストラの演奏に乗って気持ちよく歌うのが大切。まるで釈迦の手のひらに乗った孫悟空みたいなもの」と。そう、何度も共演しているとはいえ、このコンサートは毎回が挑戦であり、出演者にとっても観客にとっても特別なものなのだ。