Fumiya Fujii Concert Tour 2020-2021 ACTION     SPECIAL ISSUE #1

歌い踊るフミヤ

藤井フミヤ、ここにあり

F:今回は、ある意味「藤井フミヤ、ここにあり」という、俺のすべてが詰まっているツアーとも言える。もともと今年は、「フジイロック」のツアーをやる予定だった。でもコロナでF-BLOODもなくなり、ステイホーム中にギター1本でチェッカーズを歌ったのを配信したら、それなりに楽しんでくれる人が多かった。だったら今年はアルバムにこだわることなく、みんなの心が明るくなる、盛り上がるものにしようと。それで芹澤さんにもお会いする流れになって、「大いに歌いなさい」と言っていただけた。今だから届けたい、今回ならではのセットリストということ。そう言えば、久々のチェッカーズ曲を歌ってみて、自分でもびっくりするぐらい身体に染み込んでいることに気づいた。何十年も歌っていないのに、歌詞カードも見る必要ないし、俺そんなに当時歌ってたっけ?と思うぐらい。なんだろう、若かったから覚えてんのかな?(笑) 後期からチェッカーズファンになった人にとっては、今回初めて生で見る楽曲というのもある。後半ではそんなに初期の曲を歌わなかったから、まさかこの曲を聞けるとは、という意外性もあるんじゃないかな。

マネージャー:リハで何度も見ていたんですが、当日お客さんがいて、フミヤさんのMCが入って、それで初めてパッケージが完成した感じがすごくしたんです。客席も、声が出せないながらも「うわーっ」とか「こう来るんだ」という反応があって。なるほど、そういう想いでこの流れになっているんだなと、普段以上に強く感じました。

F:そうだね。特に今回はファンの反応も予想しながら「ここで驚くだろうな、これ喜んでもらえるかな」と考えながら作ってるし、時期的にメッセージも込めているから。ライブの感想を読むと、基本的にチェッカーズ経験者が多いみたいだね。初期の曲に関しては、当時まだコンサートに行ける年齢じゃなくて、今回初めて聴くという人もいるけど。中でも、ある1曲に関しては、FF限定公演の二日間だけ歌うつもりだったんだけど、実際やってみたらセットリストに馴染んで欠かせない感じで、外せなくなった(笑)。みんな喜んでくれたし、外す必要ないんじゃないかと。それで一応、客席に「次の奈良公演からも歌っていい?」って確認したら、みんな手で丸を作ってOKしてくれた(笑)。結果的に、当初の予定よりセットリストが1曲増えたね。今回、個人的に少し心配だったのは、KOOL HEAT BEATツアー以来で、身体がちゃんと動いてパフォーマンスできるかなということ。でも初日やってみて全然問題なかったし、今回はそもそも俺がガンガンにステージ前を煽りに行けないから、ステージで使える範囲も狭いしね。たまにMCで花道まで行ったりすることもあるけど、あれも今だからできること。みんな本当にお行儀よくて、本当にえらい!(笑)

手を広げ上方を仰ぐフミヤ