彩事季 ー FFデジタルコミューン

FFデジタルコミューン

ビフォーコロナ、アフターコロナ。将来、人類の文明進化は2021年あたりで分けられているかもしれない。今がまさに人類総デジタル化の分岐点なのだ。デジタルトランスフォーメーションが始まる。今や彩事季も、パソコンやスマホで読んでもらえるようになった。ファンクラブもハイテクになったもんだ。テレフォンサービス「One Line」をやっていたアナログ時代が懐かしい。

今から28年くらい前、ソロ活動を始めてすぐの頃のこと。当時の私は、周囲よりかなり早い時期に趣味でコンピューターを使い始めた、ハイテクな人間だった。世の中からも、そういうイメージを持たれていた。今のアナログな私とは大違いである。

そして、ファンクラブのためにデジタルコミューンを作るというアイデアを持っていた。インターネット上に存在するバーチャルな街。そこにハイテクなデザインの住居や劇場やショップなどが立ち並ぶ、デジタル複合施設というアイデアだ。まだ誰もやっていないことだったので、夢はどこまでも膨らんだ。

ビジュアルイメージは、ガンダムのコロニーのような、宇宙に浮かんだ未来都市。システムとしては、まずFFメンバーに自分のROOMを購入してもらう。そこには個人が写真や動画、文章などのデータを保管できる。家賃はメモリ容量によって異なる。今で言うところのクラウドの発想だ。ROOMは内装や家具などのアイコン・アイテムソフトを購入することで、自由にデザインできる。これはビジュアルを楽しむゲーム的な発想。複合施設のエリアには、コンサートや番組を視聴できるホールやスタジオがある。いわばYouTubeのようなもの。そして、さまざまな雑誌や写真、文章を閲覧できるライブラリー。これはGoogle検索のような発想だ。さらにファッションや雑貨、そしてもちろんチケットを買える店舗。つまりオンラインショップ。そして、FFメンバー同士のコミュニケーションの場となる集会所。そこにはもちろん私もいて、みんなでいつでも集えるセントラルホールがある。モスクのような巨大で立派な建造物の中央に、偉そうに私がいる。SFみたいでかっこいいでしょ? これは今のcomu comuや一般的なSNSに当たるものだろう。

この超ハイテクなコミュニティシステムは、今考えても素晴らしいアイデアだったが、なにぶん少し早すぎた。途方もない夢の話には、残念ながら誰も乗ってこなかった。ドラえもんのような未来の夢の話に聞こえたことだろう。それに実際に作るとなると、かなりの資金もかかったはずだ。

一方で、すでにそんなアイデアが実現可能と考えていた人たちも世の中には存在した。初期のIT企業を立ち上げた天才たちだ。やはり思ったことをすぐ行動に移し、形にできる人間が成功してゆくのだろう。もし当時、自分で投資してコミュニティシステムを作っていたら、今ごろIT企業の大社長になっていたかもしれない。それはもう驚くほどの大金持ちに! ワッハハ! そうなったら、今みたいに歌って踊ってる場合じゃない。まぁITの社長にはなれなかったが、それで良かったのだろう。歌っている方が気が楽である。

FFデジタルコミューン構想は、当時においては斬新なアイデアだったが、今ではほぼインターネットで普通にできることばかりだ。個人のROOMとなるクラウド、映像や写真や文章を楽しめるライブラリー、充実したオンラインショップ。それができれば、このアイデアはほぼ実現したと言っていい。となると、すでに今のファンクラブも、それに近付いていると言えるのではないか。さすがに自社システムとなると巨大なサーバーが必要になるし、多くのタレントを抱える大手プロダクションなら事業としてやる意味もあるかもしれないが、FFは今のところ、現状のシステムで充分な気がする。

いずれにしろ今後も多くの技術やシステムが生まれ、安価で簡単に使えるようになってゆくだろう。FFも最新の便利なシステムにちゃっかり乗って、少しづつ進化してゆけばいい。我々はそれくらいのスピードで、アフターコロナのデジタル化の波に乗っていこうではないか。FF会員の皆様! それでよろしかったでしょうか?