フミヤ自身による簡単で美味しいレシピをご紹介する、お料理コーナー 「F’s RECIPE」。
「最初から何を作ると決めるのではなく、旬の食材や、手元にある食材で作るプロセスをレシピにしてみた。
行き当たりばったりレシピ!」という、まさに料理上手なフミヤならではのコーナー。
ぜひ、あなたも作ってみてくださいね!
「大根と蕎麦」
2022年・令和四年も、いよいよ終わりを迎えます。やはり大晦日は、「紅白歌合戦」を観ながら年越し蕎麦をあてに日本酒をクイっと……ですかね。行事としてきちんと年越し蕎麦を食べるようになったのは、いつ頃からかなぁ? 九州にいた頃は食べていたかどうか、記憶が曖昧。東京に来てからも、ちゃんと食べるようになったのは家庭を持ってからかも。なにしろ私の場合、チェッカーズ時代はほぼ紅白に出演していたし、武道館でのカウントダウン時代が長かったので、武道館の楽屋で年越し蕎麦を食べていた記憶がある。まぁ最近は私も「紅白と蕎麦」ですよ。ここ最近の我が家の年越し蕎麦は、蕎麦屋の名店から生蕎麦を買うことが多い。
前にも書いたが、東京は基本的にうどんよりも蕎麦食いである。一般的な麺屋の食堂を、「うどん屋」とは呼ばずに「蕎麦屋」と呼んだりもするほどだ。だから自分も上京後、自然な流れで蕎麦が好きになった。自分が店でよく注文するのは、おろし蕎麦。さらに、おろしが辛味大根だったら注文率100%。もっと言うなら、鬼おろしでおろした辛味大根の「辛味大根鬼おろし蕎麦」が最上級!
もうひとつ、大根を使った蕎麦で好きなレシピがある。細切りの大根と大葉と白ごまを絡めた、ざる蕎麦だ。これを我が家では「夢呆(むほう)」と呼んでいる。理由は、昔、夢呆という行きつけの蕎麦屋があり、そこに細切り大根を絡めた「夢呆」という蕎麦があったのだ。これが旨くて、夢呆食べたさにそこへよく通ったものだ。引っ越して遠くなってしまい、縁が薄れてしまった。ちなみに夢呆で修行した蕎麦職人は、自分の店でも「夢呆」を品書きに出していることが多い。
さて、この細切り大根蕎麦は家でも作ることができる。まず、大根を桂むきしてから細く切ったものと、細切りの大葉、白ごまを用意し、すべてを蕎麦に絡めるだけ。大根はそれほど細くしなくてもいいし、ネギやワサビも必要ない(お好みで!)。シャキシャキとした大根の食感に大葉とごまの香り、蕎麦の風味が口の中に広がる。サラダ感覚でヘルシー、大盛りでバクバク食べたくなるような蕎麦なのだ。
大根と蕎麦と日本酒は相性がいい。あてに、薄く切った大根に薄く切ったカラスミなんかあったら最高ですなぁ~。書いているだけで、大根蕎麦と日本酒で一杯やりたくなってきた。ゆく年くる年の除夜の鐘を聞きながら、年越し蕎麦。日本人だなぁ~。みんなも、よいお年を!