終わったということは、また始まる
何度でも会いに来てください!
2025年4月に幕を開けた、2周目の47都道府県コンサートツアー“FUTATABI”。
全国で好評を博し、2026年7月、ついに最終日を迎えた。
ツアーというものは取材媒体により内容が公になるが、FFでは常にこれから観る方のワクワク感を最優先し、ネタバレなしを徹底。それがツアー特集第5弾となる今号では、ついに解禁!
最終日となった7月12日東京国際フォーラムのレポートを中心に、“藤井フミヤの唄の旅=F-UTA-TABI”を締めくくりたい。

ツアー最終日の特別な高揚感、それは客席だけでなく楽屋全体にも漂っている。スタッフから「お願いします!」の声がかかり、楽屋を出てステージへ向かうフミヤとバンドメンバー。
毎回の公演でそうしてきたように、舞台袖で最後の円陣を組む。「今日も、軽く、かっこよくいこう!」。フミヤは別の日に、「今回は、真面目さよりも“かっこいいぞ、俺たち”という気持ちで楽しむのが大事、という思いでこの言葉をかけている」と話していた。実際、演者自身が楽しむ姿が、ここまで全国のファンを魅了してきたのだろう。さあ、最後のステージが始まる。フミヤは幕の裏で帽子をかぶりなおす。
客席が暗転。歓声が上がり、場内のサイリュウムやHOTAFURUが一気に光を放ち始めた。バンドメンバーを先に送り出すと、間を置かずにフミヤも大歓声の中へ———。

ダカダン、のドラムをきっかけに全楽器の音が溢れ出したかと思うと、5秒ほどのブレイク。わずかな沈黙が興奮を煽り、「女神(エロス)」へ。セクシーな曲で始まる意外性は、全国2周目ならではの攻めっぷり。爆発的なテンションの上げ方は、ズルいほどだ。衣装は、黒いスリーピーススーツに白いボウタイシャツ、そしてハット。エレガントなジェントルマンの雰囲気で、この世界観を歌ってしまうセクシーさ。片脚を上げるポーズ、腕に誰かを抱いてターン、股割り………オープニングから一気に、“俺の夜”にさらわれてしまう。
続いて、サックスのイントロに大歓声が沸いたのは、チェッカーズ曲「Room」。嘆きのサックスに、ギターは重めのカッティングで深みを添える。スタンドマイクで歌うフミヤは、美しい手の動きで、バラ1本、部屋の鍵ひとつのイメージを描いていく。帽子を脱いではかぶり、流れるような小道具使い。1拍も無駄のないパフォーマンス。ラストは、傷ついたハートを覆うかのように、帽子で顔を隠して歌い終える。
尚之がステージ前へと進み出て客席を煽り、「孤独のブラックダイヤモンド」へ。スピードとスローの緩急に引き込まれる。マイクスタンドを倒しては足で蹴り上げ、回転させるロックなパフォーマンス。さすがF-BLOODナンバー、兄弟のハモリは最高。ここまで、ソロ、チェッカーズ、F-BLOODと、時期も活動形態も違う3曲が、見事にマッチして大人の雰囲気を創り出している。




「ようこそ、FUTATABIへ! 今日は最終日です。(拍手&歓声)長かったツアーが、ようやく今日終わります。なんか、嬉しいっていうか、寂しい気持ちの方が大きいんですが。でも、この辺で終わらないと、俺の身体もそろそろ車検に入れないといけないぐらいになってるんで(笑)。今回も全都道府県ツアー、67本やってまいりました!(拍手)2周目なんで“FUTATABI”と言いますが、同じメンバーで回ってきました。もう、ほぼほぼ親戚みたいになってます。ご覧の通り藤井尚之もいるので、今日もチェッカーズ、F-BLOOD、そして私の藤井フミヤソロ、3つミックスでお送りします。最後まで盛り上がって帰ってください。(拍手)それじゃチェッカーズからいこう。Come on!」
鳴り響くバイクの音。フミヤの語りが、物語の始まりを告げる「Jim & Janeの伝説」。ツアー序盤では、涙する人、歓声を上げて友人と抱き合う人も見られた。だめと言われてもコレは泣くでしょ、という1曲。最終日の今でもなお、胸に手を当てたり、祈るように手を組んでステージを見つめる観客たち。溢れる気持ちが伝わってくる。そんなナンバーを歌うフミヤの表情や動きは、ちょっと不良ぶった青年のそれになる。襟元のリボンを中に入れてジャケットを上まで閉めた姿が、ライダースジャケットにも見えてくるから不思議だ。リアルな体温を感じられる青春像、あらためて藤井郁弥時代からの作詞の才能に感嘆。ラストは右手で天を指し、祈るように歌い終えた。
続いて、スポットライトを浴びたフミヤがアコースティックギターを抱き、指を鳴らして2カウントで「Friends and Dream」。伸びのある歌声に、尚之のコーラスが重なる。安定のバンドサウンド、刻まれるリズムに身体を委ねる。問いかけられるたび、私たちも振り返る。自分はいつから大人になったのか、思い描いた大人になれているのだろうか、そもそも大人になれているのだろうか?と。今こうしてフミヤの歌を聴いているということは、大人って悪くないどころか、なかなかいいものかもしれない。
「Long Road」では、アコースティックギターアレンジのイントロにドラムが加わり、フミヤのハーモニカが重なる。前回ツアーのセットリストに入り切らず、聴きたかったという声も多い1曲だ。フミヤの曇りなく響く歌声からは、最高のコンディションで今日を迎えたのが分かる。チェッカーズのアルバム収録曲で、ファンのために書かれた人気の1曲だが、現在のフミヤからファンへの感謝も伝わってくる。FUTATABIツアーを通じて、ファンとフミヤの絆はまた深まった。兄弟のハーモニーが、温かくも力強く響く。間奏では神聖な白い灯りが未来を祝福。後奏ではフミヤがハーモニカの優しい音色を添え、手を広げて歌い終えた。



「チェッカーズナンバーを聴いていただきました。(拍手)ああ、とうとう終わるかぁ。1年以上前に始まったこのツアーなんですけど。全都道府県、67本。だいたい1550曲ぐらい歌ってきました。14万5000人ぐらいの動員ですかね。(「おおーー!!」と歓声&拍手)次は、ピュアなラブソングを歌います。非常にエロい歌から始まりましたけど。『女神(エロス)』。今、もう完全にコンプライアンスで引っかかる歌です。そういう意味では貴重でしたね。だんだん下半身の歌がなくなり、上半身の歌ばっかり歌っております(笑)。次はピュアな曲を歌うんで、ピュアな気持ちで聴いてもらうとスーッと入っていきます。そうじゃないと、水と油みたいに跳ね返っちゃうからね。スーッと私を入れてください。それでは、あの頃のピュアなあなたへ……いや、もちろん今もピュアですよ。私もピュアです。透き通ってるでしょ、ほら!(ジャケットの前を開いて見せる)。ははは! ピュア同士だね! じゃあピュアピュアってことで、ピュアなラブソングを聴いてください」




「Little Sky」へ。ジャケットを脱ぎ、白いボウタイシャツがステージに映える。こうして曲に合わせ、青春の歌ならジャケットは脱いで爽やかに、と白の分量を増やして演出するのがフミヤらしい。アコースティックギターとタンバリンに、まっすぐな声質が乗る。草の上に寝転ぶ姿を、若葉を思わせるグリーンのライトが包む。振り付けではなく、ごく自然に主人公を演じる姿。1コーラス目はスタンドマイク、2コーラス目はハンドマイクでのパフォーマンス。白い袖としなやかな腕は、羽ばたく翼そのもの。フミヤの手の表現力をはじめとした所作は魅力のひとつであり、総合芸術としてのステージを形成する要素でもある。ステージ前方に立ち、首にかけたクリスタルを外して投げる。最後は、指先から飛び立つ鳥を見送った。
フミヤのカウントからハーモニカで、F-BLOOD「白い雲のように」。空を描いた歌が、広い会場をさらに拡げていく感覚。複雑な模様のライトが雲間から差す光のようで、上の階から見ても美しい。「僕ら」と歌いながら、視線を弟に向けるフミヤ。兄弟で全都道府県を2周する機会なんて、そうあることではない。フォーラムではステージ両脇にスクリーンがあるが、アングルによって兄弟がフレームに収まる様子はファンにとって嬉しい絵だろう。ラストはハーモニカの音色を上にスライドさせ、心地よい余韻を残した。
フミヤの3カウントから、アコースティックギターで「TRUE LOVE」。W型の線状になったスポットライトがフミヤを照らす。その角度が、まるで時間の移り変わりのように、ゆるやかに変化していく。ファンはこの歌を、コンサートはもちろん、CD、テレビやラジオ、そして街中……数多くの場面で耳にしてきた。今回も各地で“名刺代わりの1曲”として届けてきたが、歌い出しで歓声や拍手が起こることも多かった。そもそも、コンサートはその日限りのもの。あなたが観た日の「TRUE LOVE」は、どう響いただろうか?
青い闇に包まれ、キーボードの和音がクレッシェンドしていく。エレキギターに持ち替えたフミヤの姿が浮かび上がり、「素直にI’m Sorry」へ。歌い出しは一筋のライトが柱のように伸び、ゆっくりと世界観を塗り替えていく。「Come on!」の合図で、観客が立つ。フミヤは足でリズムをとりながらギターをカッティング。観客は心地よい王道ポップスに身体を揺らしながら、キュートな歌詞の世界に浸る。ラストは、ギターのネックを振り下ろして曲を締めた。
続けて「SEVEN WONDERS」。バンドが煽り、すぐさまクラップが揃う。待ってました!の踊れるポップナンバー。ギターを弾きながら歌うフミヤ。その背景には花の模様が映し出され、サビではさらにカラフルに。映像と場内のサイリュウムやHOTAFURUが立体的に合わさることで、ステージのフミヤは花畑に立っているかのよう。
ハッピーな空気感そのままに、「なんかいいこと」へ。ドラムのリズムに合わせて心が弾む。「手拍子よろしく!」と、フミヤはハンドマイクでステージを行き来し、足元のモニターに乗ったり、帽子を弄んだり。映像もメロディーごとにくるくると変わり、ステージから楽しさが溢れてくる。間奏では、客席に帽子を投げるパフォーマンス。これはゲネプロの時点から始まっていたが、当初はキャッチした人がステージに投げ返していた。だんだんと、隣に回して、帽子に触れられる人が確実に増えるスタイルになっていった。これも、FFメンバーを中心とするファンの、“いいこと”を分かち合いたいという気持ちからだろう。天国に持っていける“物”はないけれど、こんな“愛”なら持っていけるかもしれない。





ここでMCへ。フミヤはジャケットを羽織り、帽子を脱いでマイクに向かう。今回は、ひとつの衣装においても、ジャケットの有無や襟の開け閉めでバリエーションを付けている。考え抜かれた演出とはいえ、流れるような所作で脱ぎ着するため、ふと気付くと印象が変わっている。
「ピュアな気持ちになっていただけたでしょうか?(なった!)じゃあ、きっと今日、なんかいいことが起こります!(幸せをばら撒くようなアクションで)“花咲かフミヤ”(笑)。昨日は誕生日だったんですけど。(拍手&歓声)ありがとう! そんな祝うような年齢でも……いや、いつまで経っても祝うような年齢だよな。本当にありがたいですね。いつまで歌い続けるのかなと思うんですけど。意外と元気に長く生きていますね。今、巷ではマイケル・ジャクソンブーム。本当にキング・オブ・ポップスター。あんな天才はもう出てこないね。でも残念なことに、50歳で亡くなってるんですよ。俺は、マイケル・ジャクソンより14年も長く生きてます。こうなったらもう、『ドラゴンボール』の亀仙人宣言します!(拍手)長く生きていくんで、まだ64なんて夢の途中です(笑)。(歓声&拍手)私はあんなじいさんになって、頭が禿げて、アロハを着て、色眼鏡をかけて、お姉ちゃんのスカートを後ろからめくりたい!(笑) よろしくお願いします!(笑&歓声)」
場内は大爆笑(一応、ご存知ない方のためにコンプライアンス的な補足をしておきますと、スカートめくりは、あくまで『ドラゴンボール』の亀仙人のキャラからくる話ですので、悪しからず)。
「それでは……あっ、ヤバい! この後バラードだった。バラードを歌います! あなたのために、一人ひとりのために歌うんで。ハートブレイクな歌なので傷ついてください。あなたが主人公です。相手は私です」


手のひらを差し出して、「……雨だ」。水面に落ちる1滴の雫から、「わらの犬」。点状の青いライトが雨となってフロアを濡らし、窓を伝う水滴が心の揺れを描き出す。切ないラブストーリーの相手役として、切なさを歌い上げるフミヤ。スネアドラムのリムショットによる金属音が、時計の針の音のようにクリアに響く。襟を立て、雨の冷たさ、冷えゆく心の温度まで伝わってくるようだ。
続いて、ピアノの音色から「水色と空色」。ステージには青いラインが伸びる。フミヤは左手人差し指を立て、ひとつひとつの場面を丁寧に描き始める。メロディーの美しさも人気のナンバー。先ほどまでのブロックとは、歌い方も動きも変わる。襟元のリボンを出すことで、若い主人公のフレッシュさが漂う。足元には水溜りのようなライト。傘を開き、彼女の腕を組ませる、水溜りを蹴って水を散らす……街中を歩くように場面が展開。歌に加え、こうした表現にフミヤならではのセンスが光る。後奏は余韻を残しつつ暗転。
ピアノだけにスポットライトが当たり、ピアノソロ。美しく心に沁み入る即興演奏は、前回に続き見どころのひとつ。右手で鍵盤の上を遊びつつも、左手の奏でるベースラインが、続く「Another Orion」の世界への道標となる。
ステージに星空が広がる。ピアノのイントロ、サックス……1音ずつ丁寧に曲が始まった。代表曲「Another Orion」は、ボーカリスト藤井フミヤの魅力を堪能できる珠玉の名曲。「あなたが主人公」の言葉通り、フミヤと聴き手が二人っきりになれる世界だ。繊細な線状のライトがフミヤに集まり、その足元に星が敷き詰められる。ソプラノサックスのソロにギターが重なり、ラストのサビへ。切なくも力強い歌声が伸びるエンディングでは、星が会場全体へと広がっていく。“あの星”を指差し、手を振って別れを告げた。長く続く拍手に、もう一度スポットライトが灯され、深く一礼。
「今、完全に僕ら、お別れしましたね。戻ってきてください(笑)。もう、『TRUE LOVE』と『Another Orion』は、どんぐらい長く、何回聴いてきたか?というのがファン。私はこのくらい聴いてきた!と、刻んでください(笑)。さあ、もう、このコンサート最後のブロック。(やだー!)なあ。終わっちゃうんだな。本当に来たね、この日が。FUTATABIは67本だったんですけど、前回のアニバーサリーの時は60本だったんですよ。今回は1年以上かけました。1年以上かけると、このセットリスト、別れ惜しいね。いい加減いっぱいやったよな。本当に長い間、ありがとうございました!(拍手)このパフォーマンスも、いつまでできるか分からないからね。俺が30代とか40代だったら全然平気なんだよ。君たちがいるから頑張って歌ってるけど(笑)。でもこの職業、退職がない。今ステージに上がっているこの人たち、みんな退職がないです。(バンドメンバーに)頑張りましょう!」
フミヤが自らを鼓舞するのと同時に激励し、「おう!」と応えるバンドメンバーの皆さん。ここでメンバー紹介へ。
「じゃあ、一緒に全国を2周したメンバーを紹介しましょう。まずはギター、沢頭たかし。ドラちゃんの喋る声を聞いたら今日はラッキー、みたいな(笑)」
沢頭氏「こんばんは!」
「ちょっとトーンが高かったよね、今(笑)。だいたい地方の時は終わったら居酒屋で飲むんですけど、ドラちゃんは黙々と一人飲んでる。日本酒派ですね。最近、俺たち“土鍋の会”っていうのができまして、土鍋で米を炊いてご飯を食べる会。ドラちゃんは、あんまり米を食べなかったんですけど、土鍋を覚えて『信じられないぐらい美味しいんですね!』って米を食うようになりました。米を食うし日本酒も飲むから、みんなが「太らないよう気をつけてね」って心配してる(笑)。続きましてベースギター、山田“Anthony”サトシ。アンソニーは、いちばん食べるかも。悪い癖がひとつだけあって、メニューにフライドポテトがあると100%頼む(笑)。だから東北とか行くと、刺身の横にフライドポテトが置いてあるんだよ。『これはどうなのかな』って言うと、アンソニーが『じゃあ、ひとつ食べてみてくださいよ。ほら美味しいでしょ?』とか言って、結局みんな食べるんだよね。そんなアンソニーです」
旅先でのFUTATABIバンドの様子に、客席は大笑い。バンド出身のフミヤだからこそ、ステージ以外でも仲間とのコミュニケーションを大切にしているのが伝わってくる。
「バンマス、ドラム、大島賢治。大(おお)ちゃんには、いろいろお世話になっています。大ちゃんと俺は意外と真面目で……(えー?)人の話を聞く前に、えーって言うのやめてくれる?(笑) 俺たちは、二日続きで次の日のライブがある時は飲まないし、ノンアルコールビールとかね。スイッチ入っちゃうと飲んじゃうから、お互い我慢してましたね。さすがリーダー。続きまして、ピアノ、キーボード、櫻田泰啓。サクちゃんは、お酒けっこう強いですね。前半は無口だったんですけど。俺の隣って、みんな意外とあんまり座りたがらないんですよ。でもサクちゃんはすぐ座ってくれんの(笑)。だから、よく二人でいろんな話をしてました。『Another Orion』の前は、いつもアドリブで弾くからね。素晴らしいピアノです。そしてこの方。サックス、コーラスも、ギターもやってもらっています。弟もやってもらってます、藤井尚之!」
尚之氏(以下N)「いやー、よく飲みました! 楽しく美味しく、いただきました」
フミヤ(以下F)「最近は、飲んでも居酒屋で終わっちゃうんですよ。昔はそこからバーとか行ったけど、もう全然行かない。でも尚之は、コンビニ行ってロング缶を買ってるからね。ないと寂しいの?」
N「まあ、一応ね。でもね、はっきり言いますけど、半分以上残して寝てます!(笑)」
F「じゃあ、短いのにすりゃいいじゃねーか」
N「普通にちっちゃいやつ買えばいいんだけど、ロングを買っちゃうんだよね。そういう性というか(笑)。もったいないけどね」
F「新幹線に乗る時もロング缶だからね」
N「だって、そりゃみんなそうでしょ。みんなロング缶だよね? ロング缶の人、はーい!(挙手)あれっ、3人?」
F「サクちゃん違う。でもサクちゃんは何缶も買うから。……そんなメンバー紹介(笑)。今日は最後なんで長めに、思い出をね。ありがとうございました。それでは……」
N「それではね」
F「あっ、俺か!」
N「それでは、わたくしからご紹介させていただきます。(ドラムロール)お、ロールが」
F「今、鳩か何か出そうかと思った(笑)」
N「仕込んでなかったね(笑)。Rock ‘n’ Roll! センター、藤井フミヤ!」(拍手)
F「今回は完全に生演奏なんです。だから、足りない音は俺がギター弾いたり、全員で頑張ってここまでやってきました。このバンドはロックンロールが得意なんで、後半は8ビートです。それでは最後のブロック、8ビートで盛り上がろうぜ!」




速いテンポの「1、2、3」から「ギザギザハートの子守唄」で、ロックンロールタイムに突入。待ちきれないファンを、藤井兄弟が一瞬であの頃に連れていく。背景の映像も、ネオンのようなレトロ感あるムードに。重心は低めな、ロックンロールダンスタイム。3コーラス目で座るお約束もばっちり。やはり、聴いたり観たりするだけでなく、踊ることで歌が全身に刻み込まれる。
続く「ジュリアに傷心」。ハイキックや振り付けなどパフォーマンスの魅力もそのままに、あの頃夢中で聴いていた曲が今も楽しめる幸せ。歌、サウンド、映像、照明、そして場内の盛り上がりが絡まり合って上昇していく。後奏は1拍ずつしっかりキメてフィニッシュ。
「危険なラブ・モーション」では、ギターのイントロから歓声のボリュームが上がる。今回のサプライズ曲でもあり、フミヤの狙い通り、いやそれ以上に多くのファンの胸を撃ち抜いた。チェッカーズのファーストアルバムからのナンバーだけに、生で聴くのは初めてという人も少なくない。ギターとサックスとともに、ステージ前方でハーモニカを吹き鳴らすフミヤ。サビではモニターに乗り、右手でアクションしつつ会場を煽る。赤、青、黄……カラフルな背景に、フミヤの黒いシャツ姿が映える。観客は笑顔のまま、息つく暇もなくダンス。間奏では、尚之がサックスを肩に担いで上手へ、フミヤは下手でハーモニカ。兄弟が時に交錯し、時に並び、魅了する。ラストはジャンプで締め、客席から喜びの喝采を浴びた。
「Yeah!」のコール&レスポンスから、「WE ARE ミーハー」へ。フミヤは引き続きフルスロットルで飛ばしながら、力強い歌声とキレのいいパフォーマンスを見せる。ツアー途中から始まったのが、曲中の「フミヤコール」。好きな人の名前を呼ぶというシンプルな行為には、時に勇気と素直さが必要。それをフミヤ自ら求めることで、みんなが大声でフミヤを呼ぶ。これぞミーハーの中のミーハー、ミーハー最高! というわけで、フミヤコールという新たな文化が歌詞の世界を完成させた。楽しみ上手なファンが多いからこそ、フミヤもいろいろな楽しませ方のボールを投げることができる。サビでは背景がレインボーカラーのチェック柄に染まり、あらゆる面で忘れがたい1曲となった。
「ラストソング!」の声から「Stay with me.」。イントロからずっとジャンプ&ダンス。ギターとベースもフロントに揃って観客を煽り、サビでは会場中の手振りが揃う。もうすぐ旅が終わる……誰もがそれを分かっているからこそ、今を味わい尽くす。フロントでのギターソロ中、フミヤはドラムの台に立ち、旗を振るようにジャケットを振り回す。これからもフミヤの旗の下に集うであろうFFたちに、目印を示すかのように。ジャンプでさらにテンションを上げ、シャウトも混ぜて力を出し切る。最終日のこの日は、ラストのサビで銀テープが客席に降り注いだ。そこには“FUTATABI is over. Thank you!”のメッセージ。フミヤはジャンプで締めると、手を振って舞台袖へと去った。

客席では熱気冷めやらぬまま、アンコールの手拍子が起こる。「アンコール」の掛け声は、やがて「フミヤ」コールに変わっていく。ミーハーこそが正義な今、これが新しい正解かもしれない。ステージが明るくなり、「FUTATABI」の文字が縦に並ぶ。フミヤとバンドメンバーが登場。止まないフミヤコールに、最後はフミヤ自身が「フミヤ!」と合わせて笑顔で締めた。
「呼び捨てされやすい名前でよかったわ(笑)。アンコールありがとう」


ツアーTシャツの胸には、日本地図がエンブレム風にアレンジされている。この日で全都道府県を踏破した。
「いよいよ終わるなぁ。でも、終わるったって、また来年ぐらいにツアーが始まるんですけどね。(歓声&拍手)だって、歌うことが仕事だから。歌ってないと、ただのちっちゃなおじさんだからな(笑)。俺がモテてんのは、この1.5〜2センチぐらいの声帯なんだよ。見せてやろうか?(口を開ける)だから、ここ(声帯)にキャーッと言ってくれ。それじゃあ、アンコールいこうか。Come on, guitar!」
ギターのイントロから、「Song for U.S.A.」。ステージ上手まで歩きながら、さらりと歌い始める。古き良きアメリカへの憧れを描いた歌。サビでは、フミヤも観客とともにゆったりと手を振る。笑顔で客席を眺めるフミヤもまた、ステージからの眺めを胸に焼き付けている。ノスタルジックなオレンジと、すみれ色のライト。歌に合わせて揺れる手を見ながら、みんな、思った以上にティーンエイジのまま大人になれたんじゃないだろうか?と思う。フミヤの歌で、笑って泣いて叫んで踊れるのは、内側にいるティーンの自分が呼び起こされている証拠だ。フミヤが美しい礼で曲を締める姿に、あの頃の郁弥を感じるのと同じように。
続いて「いくぞ、尚之!」と声をかけ、F-BLOODのラストナンバー「SHOOTING STAR」へ。バンドメンバーがフロントに並ぶ姿は圧巻。再びスピードのギアが上がり、音と映像の渦に吸い込まれていく。折しも今年はミラノ・コルティナ冬季五輪が行われ、タイムリーなナンバー。「SHOOTING STAR」がNHKテーマソングとなった長野冬季五輪から、28年。選手の胸に輝くメダルを流れ星に例えた応援歌は、時代を超えてパワーをくれる。
ここで、最終日恒例の乾杯。フミヤとバンドメンバーに缶ビールが配られる。
「もう明日から歌うことがないと思うと、全力で歌ってます(笑)。(拍手)今日は最終日なんで、ひとつ恒例の乾杯を。長い間お疲れ様でした。本当にありがとうございました。それでは乾杯したいと思います。まず、みんなに乾杯! バンドとスタッフに乾杯! フォーラムに乾杯! 東京に乾杯! 日本に乾杯! 世界に乾杯! 地球に乾杯! 宇宙にカンパーーーイ! ありがとう!」


観客も乾杯の声を合わせ、ステージに大きな拍手を送る。
「さあ、ここからは飲酒演奏でお送りします。いいですか、みんな、これで終わりじゃないからね。続きがあるんで。よっしゃー、終わりだぁ! でも、終わったということは始まりだ! また始まる。頑張ろう! じゃあ行こうぜ、Come on,『ココロ』!」
最新曲。令和にオーダーされた、お得意のロックンロールナンバー。サックスとベースがフロントへ。まさにココロ踊るロックンロール。つい踊ってしまう楽しさ、明るさ、これぞポップスの持つ力。やはり人間の本能的な部分を自然に動かすのは、こういうリズムでありメロディー。サビはコール&レスポンス。ブレイクも効いているし、転調でさらにアガる(変換で「店長」が先に出てくるのも「コンビニ兄弟」感あり)。手のひらを重ね合うアクション、いつでも逢えるという繋がり感は、最終日にはさらに嬉しく響く。
「Yeah! ありがとうございました。なんか元気だわ、今日(笑)。なんだろうな。ちょっと飛んでるかもしれない(笑)。みんなが生きているうちはまだまだ歌ってるんで、よかったら何度でも会いに来てください。別に私に会ったからってご利益はないかもしれませんが……(あるある!)ある? そうですか。じゃあ、あります! 何でも叶えてあげましょう! ははは! 同じ時代を生きている俺たちのために、ラストソング『未完成タワー』」
勇壮で厚みのあるミディアムロック「未完成タワー」。聴き手の背中を押す歌だが、フミヤ自身が歌で自らを励ます瞬間もあったかもしれない。誰もが人生のタワーを積み上げていく。フミヤのタワーには、今回さらに「FUTATABIツアー」という階層が加わるが、それは67個のブロックで構成され、ひとつのブロックは観客一人ひとりを含む細かいパーツから成っているのだろう。力強い歌声と、メッセージ。観客は両手を広げ、フミヤはマイクを手に片手を伸ばす。歌を通して、360度の笑顔へと続く約束が結ばれる。ラストは笑顔で会場へ手を振り、ジャンプで締めくくった。

最後の1曲を歌い終えたフミヤを、大きな拍手が包む。アンコールにも、冒頭と同じくチェッカーズ、F-BLOOD、ソロの3曲が並び、ツアーコンセプトが貫かれていた。
「ありがとうございました!」フミヤはバンドメンバーを前に呼び、6人で並ぶ。クオリティの高い演奏でステージを支えてきたミュージシャンたちに、惜しみない拍手が送られる。手を繋ぎ、礼をし、なぜか円陣を組んで回ってみたりも。客席とも互いを労い合い、手を振るフミヤ。「ありがとう! また一緒に遊ぼうぜ! 帰りは気をつけて。早いから一杯飲んで帰れ。カンパーイ!」愛や感謝が循環する空間。「ばんざーい! ばんざーい! ばんざーい! ありがとう。じゃあな、また会おうね!」会場とともに万歳三唱をして、その余韻を味わいつつ、名残惜しそうに手を振ってステージを後にしたのだった。
こうして、47都道府県ツアー2周目となる「FUTATABI」が幕を下ろした。チェッカーズ、F-BLOOD、そしてソロをバランスよく配置したセットリストとパフォーマンスには、前回以上の余裕と遊び心が感じられた。ファンとともに作り上げてきたFUTATABIツアー。フミヤが言うように、終わりは始まり。今回の唄の旅が、アリーナライブ「360°」をはじめ、次への礎となるのは間違いない。まずは10月の円形ステージで、フミヤがファンとともにどんな景色を創造するのか。3年の集大成となる特別なステージに、期待は増すばかりだ。

【SET LIST】
*こちらは2026年7月12日の東京国際フォーラム公演の内容であり、他公演とは一部異なります。
女神(エロス)
Room
孤独のブラックダイヤモンド
Jim & Janeの伝説
Friends and Dream
Long Road
Little Sky
白い雲のように
TRUE LOVE
素直にI’m Sorry
SEVEN WONDERS
なんかいいこと
わらの犬
水色と空色
Another Orion
ギザギザハートの子守唄
ジュリアに傷心
危険なラブ・モーション
WE ARE ミーハー
Stay with me.
-ENCORE-
Song for U.S.A.
SHOOTING STAR
ココロ
未完成タワー
【FUTATABI BAND MEMBERS】
Drums : 大島賢治
Bass : 山田“Anthony”サトシ
Guitar : 沢頭たかし
Keyboards : 櫻田泰啓
Sax, Guitar:藤井尚之
●7月11日バースデー当日の公演ほか、「ONSTAGE & BACKSTAGE」はこちら
●バンドメンバーによる終演後コメントはこちら
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「ARENA LIVE 2026 360°」開催決定!!
東阪アリーナライブ「藤井フミヤ ARENA LIVE 2026 360°」が決定!
47都道府県コンサートツアー 「40th Anniversary Tour 2023-2024」、「2025-2026 FUTATABI」。チェッカーズ、F-BLOOD、ソロの名曲がこれでもかと詰まったステージは、全国に感動と興奮の渦を巻き起こしてきた。
プロジェクトの集大成となるアリーナライブでは、2ツアーから再構成した特別なセットリストが実現!
ステージを360度取り囲む円形センターステージならではの一体感とともに、心と身体に焼き付けたい特別なライブ。お見逃しなく!
2026年
10月10日(土) 大阪城ホール
10月17日(土) 日本武道館
10月18日(日) 日本武道館
詳細・チケット購入はこちら
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